摂食障害・体験談と完治に向けて…頑張っている途中

摂食障害(拒食、過食、過食嘔吐、チューイング)になって11年目。夢遊病になったり…アルコール依存になったり…精神病に支配されて11年目に突入しました。最近は少しだけ摂食障害とうまく付き合っていく事を覚えました。まだ戦っている途中ですが、一緒に戦っている方達に出会えれば良いなあと思います★

食べたいけど太りたくないからチューイング行為

チューイング(噛み吐き行為)とは…

食べ物を口に入れて噛み、そのまま飲み込まず吐き出す行為です。
胃の中に入らないため、満腹感もなく大量の食べ物を食べる(噛む)事が可能になるため、過食や過食嘔吐よりも長時間に及び、そして食べ物の量も多くなっていきます。
 
摂食障害の中でも過食症の方によくみられます。
食べたい衝動が抑えきれず、ですが太りたくないという気持ちが背景にあります。
 
チューイングは食べ物を噛む事によって、満腹中枢はコントロール出来ますが、実際には胃には入っていないため、脳の伝達物質が狂います。
なので、自律神経が乱れ、精神の不安定につながっていく恐れがあります。
 
「好きなもの食べれるけど太らないし良い」と安易な考えは危険です。
更に摂食障害から抜け出せなくなっていきます。

 

 
今回は私が拒食症からチューイング行為を始めた時期のお話を書きます。
 
 

拒食症からまた過食脳が出てきた

初めて拒食症になった頃と同じ流れです。
こうして拒食、過食は何度も何度も襲ってきます。
拒食症で低体重になって…ある日突然過食衝動が襲ってきました。
拒食から過食に移行せず、ずっと拒食で悩んでいる方もたくさんいらっしゃいますが、私は拒食と過食の割合で考えると3:7の割合で過食時期が多いです。
 
せっかく低体重になったのに、過食衝動は突然襲ってきました。
 
でも、どうしても太りたくない!!たった0.1gも体重を増やしたくない私は、チューイング行為を始めました。
 

食べ物を噛んで飲まずに袋に吐き出す

私がチューイングを始めた時は、この行為が“チューイング”と呼ばれている事を知りませんでした。
たまたま頂いたドーナツを一口食べた時にすごい罪悪感が襲ってきました。
拒食に移行して、固形物を口にしたのは数か月ぶりでした。
 
どうしても飲み込めなくて、キッチンにペッと吐き出したのが始まりでした。
「これは良い!!」と心の中で思い、ドーナツを1つ食べましたがすべて噛んでは飲み込まずに吐いてを繰り返しました。
 
そしてそのドーナツの一口が私の中で数年眠っていた過食スイッチを押しました。
 
ですが、食べても飲み込まなくても良い!!と思った私は、その時はとても気持ちが軽くなり、過去の過食症時代の私に教えてあげたいくらい良い方法を見つけたー!!と舞い上がっていました。
 
それからは、さすがに人前ではそんな事は出来ないので、人前では拒食で、1人の時間になると好きなものを口に入れて噛んで味わって、そして飲み込まずにビニール袋に吐くという行為を繰り返していました。
 

過食脳を味方につけたと勘違い

チューイングを覚えてからは、過食衝動が襲ってきても昔みたいな恐怖心はありませんでした。
好きなもの味わってそして太らないなんて最高♪と安易な考えでした。
 
チューイングを始めてから、1週間もたたないうちに私の過食衝動は歯止めが利かなくなり、徐々に食べる量が増えて、1日中チューイングをしている日もありました。
 
過食の頃は短期間で異常な量の食べ物を食べていたので、疲れますし眠気も襲ってきて胃も重くて、太っていく自分に罪悪感もありました。
ですがチューイングは、満腹感もなければ罪悪感もないので、止め時が無いのです。
 
ずっとずっと食べ続ける事が出来ます。
 
多いときは、食べたものを吐き出した後のビニール袋が10袋を超える時もありました。
 
 

止まらない過食衝動と辞められないチューイング

チューイングを始めてからは、過食の頃よりも食べる量が増え、費やす時間も増えていきました。
そしてやっとこのころに“異常かも?”と思い始めて、色々調べてみました。
結果、摂食障害のチューイング行為という事を知りました。
「私以外にもやっている人いるんだ」とびっくりしたのと、安心したのを覚えています。
 
もうこの頃には辞められなくなっていました。
私自身、辞める気もそんなには無かったように思います。
異常という事は自覚しましたが、過食症の頃のように罪悪感もなかったので、抜け出したいという強い意志はありませんでした。
 
 

胃の激痛で歩けなくなる

チューイング行為を繰り返しているうちに体に異変が出てきました。
毎日、胃の激痛に襲われるようになりました。
胃が手でむぎゅと誰かにわし掴みにされているような感覚です。
激痛が襲ってきたときは立ち上がる事も出来ず、倒れ込んでいました。
 
噛み吐きをしていたので、胃の中は常にからっぽで、始めは空腹感からの胃の痛みだと思っていました。
ですが、毎日毎日時間場所関係なくその激痛は襲ってくるので、道端で倒れ込む事も頻繁にあり、仕事も手につかなくなってしまったので、私は病院に行き、初めて胃カメラを飲みました。
 
でも異常は無し。
“ストレス性胃炎”と診断されました。
 
私の個人的な考えですが、病院はいつも原因が分からないと“ストレス”と診断するような気がします。
 
本当にストレスはかかっていたとは思いますが、自分の体の事は自分が1番よくわかるのでストレスではない体の不調があったと私は思っています。
ですがそれ以上調べる事はしませんでした。
 
今だにあの頃の異常なくらいの胃の激痛の原因は分かりません。
 
でも確実に体は蝕まれていっていたと思います。
 
 

仕事を制限しないといけなくなった

精神面でもギリギリの状態でずっと働いていたので、もしかすると体が限界を訴えていたのかもしれません。
私は働けなくなってしまいました。
 
 

チューイングから過食嘔吐

仕事を制限してからも毎日毎日チューイングを繰り返していたのですが、ある日突然噛んで吐き出す前に飲み込んでしまいました…
そしたら今まで満たされていなかった満腹感が満たされた事が快感になり、私はチューイング行為から抜けだしましたが、ここから過食嘔吐生活が始まりました。
 
 

チューイングしていないならまだ間に合います

今、摂食障害で悩まれている方、もしまだチューイングをしていないなら絶対にやめた方が良いです。
当時の私の時代よりもネット情報がたくさん見れる時代になったので、「こんな方法あるんだ」と思い安易な気持ちで始めてしまう方もいらっしゃると思います。
当時の私はささいなきっかけで始めてしまいましたが、過食症だったころの私の時代にこんなに情報がたくさんあれば、私は迷わずチューイングをやっていたと思います。
 
実際チューイングをしている頃は、罪悪感もなく、拒食や過食時代よりも悩みもなかったです。
過食衝動を味方につけ、うまく付き合っていけるとも思っていました。
太らない方法を見つけた!!とも思っていました。
 
ですがチューイングは太ります。私は太りました。
過食よりは太らないですが、徐々に体重は増えていきます。
きっと噛んですべて吐き出しているつもりでも、多少なりとも飲み込んでしまっているのだと思います。
そして満腹感が満たされないので、量も増え続けます。
 
食べ物を噛んで“食べた”と認識した脳は、胃に消化するように命令を出します。
ですが、胃が消化しようと働きだしたときには、胃の中にはなにもなく、脳と体が混乱を起こし自律神経が乱れ、体にも不調が出てきます。
 
その後に過食症に移行してしまったら、本当に止め時が分からなくなり、以前過食症だった頃よりも確実に食べてしまう量も増えてしまいました。
 
私の場合は、悩みはなかったチューイング時代ですが、でももうやろうとは思いません。
その後もっともっと辛い摂食障害時代が待っていたからです。
 
どんどん摂食障害の暗くて深い穴みたいなものに自らハマっていってしまったような気がします。